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必ず思い浮かべるうた

夕方のお散歩コース(郵便局への投函の道のり)の途中に

紫木蓮の木があります。

民家と民家の間の細長い空地に一本だけで立っています。

しばらく前に、冬芽がずいぶんふくらんでもふもふとなっているのに

気づいたばかりなのに

あっという間に咲いて、(暖冬だった影響でしょうね)

今日は、半分の花は一番美しいかたちの開き具合で

もう半分は莟でぷっくりふくらんでいる状態。

春ですねー。

紫木連の花を見ると、

必ず思うかべるうたがあります。

 いにしえの王(おおきみ)のごと前髪を吹かれてあゆむ紫木蓮まで

 阿木津 英

阿木津英さんとは一度だけお会いしたことがあります。

ちょうど一年前、昨年の3月中旬に北九州市立文学館で

『九州の歌人たち』(現代短歌社)に関するシンポジウムが開催され

阿木津さんも登壇なさいました。

『九州の歌人たち』には黒瀬珂瀾さんが山本詞について書かれていて

黒瀬さんも登壇者のおひとりだったので

山本詞についても言及されるかもしれないと思って足を運びました。

そのシンポジウム終了後に何人かの歌人のかたとお話ししたのですが

その時、阿木津さんにも初めてご挨拶することができました。

私は紫木蓮の花を見ると上記の一首を思い出し、

昨年からは阿木津さんのお姿も思い浮かべますが

みなさまにもそんなうたがあることでしょう。

たとえば、雪が降ると思い出す一首。

桜を目にすると心に浮かんでくる一首。

そんなうたがあることで、

季節をより深く愛でられる気がします。

 
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