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「旧伊藤伝右衛門邸 秋の企画展2020」と憶良さんのこと

飯塚市の旧伊藤伝右衛門邸で10月8日から秋の企画展が開催中です。

私は今日(16日)でかけました。

(外出は現在もできる限り控えているので、

こうしたおでかけはひさしぶり!)

旧邸の門前では新型コロナウイルス対策として

検温、入館者リストの記入、手指の消毒を済ませてから入場。

今日は平日の午前中とあってか混雑はしていませんでしたが

混雑した場合は入場制限もするとのこと。

もちろん入場はマスク着用で。

さまざまな感染防止対策がとられています。

私は以前から乞巧奠(きっこうでん)に関心を寄せていました。

これは中国から伝わったもので

7月7日に彦星と織姫に技芸の上達を願うものです。

日本では奈良時代に宮廷の節会として取り入れられました。

(願い事を短冊に書いて笹に下げる現在の七夕のかたちは

江戸時代に庶民の間で広まりました)

旧伊藤邸の今秋の企画展は「五節句と白蓮」と銘打たれています。

*人日の節句(1月7日)→江戸時代からは七草の節句となった

*上己の節句(3月3日)→のちに雛祭りとして広まってゆく

*端午の節句(5月5日)→現在の子どもの日

*七夕の節句(7月7日)→乞巧奠から現在のたなばたのかたちに

*重陽の節句(9月9日)→菊の季節に長寿を願う

以上の五節句を紹介し

白蓮さんとの関わりにもふれています。

旧伊藤邸の企画展にはこれまで毎回足を運んできました。

今回、コロナ禍で外出を控えている中でもでかけたのは

この乞巧奠のしつらいを観るためでした。

(現在は福岡県でも”第2波”の感染者数が落ち着いてきたので)

たまたまこの企画展を担当なさった市観光課のかたに

説明をお聴きすることもできたんです。

お話によると

今回の企画を2年越しで実現なさったそうです。

以前から五節句をご紹介したいと思っていらしたということです。

実は私も乞巧奠を筑豊での短歌の活動に取り入れたいと企画をあたためています。

現代でも京都の和歌の家である冷泉家では

歌の上達を願ってこの行事がおこなわれていて

その折には和歌が詠まれています。

万葉集に収められた山上憶良のうたには七夕のうたが幾首もあって

太宰府で大伴旅人宅で詠まれたというものもあります。

これは七夕の節句の宴で詠まれたものだろうと思うのです。

そうなると、他の節句の宴でもうたを詠んでいたことでしょう。

筑豊は憶良さんとたいへんゆかりの深いところです。

筑豊と憶良さんと七夕と短歌。

これらを結びつけたイベントを

私の主宰するいいづか短歌サロンでおこないたいと考えていました。

短歌サロンではこれまで周年記念の企画をおこなってきたので

ことしはそれを七夕に合わせておこなおうかと思っていました。

コロナ禍のため短歌サロンは4月から紙上開催に切り替えたので

今年はそれはかないませんでしたが

近い将来にかなえたいと思います。

これは今まで自分ひとりであたためてきた企画ですが

今日 旧伊藤邸で初めてお目にかかった市観光課のかたが

五節句についてのお話を熱心に語ってくださったので

私も思わずこの企画のことを口にしたところ

ぜひやってくださいとおっしゃっていました。

旧伊藤邸と飯塚市は桃の節句(ひな祭り)と深いつながりのあるところ。

3月3日はもともと上己の節句の行事がおこなわれた日です。

七夕だけでなく

上己の節句に合わせた短歌の企画も以前から考えています。

コロナ禍が終息したら

ますはいいづか短歌サロンでこうした企画を実現させたいと思います。

旧伊藤伝右衛門邸の秋の企画展は11月23日(月・祝)まで開催中です。

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