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かわいい顔に似合わない

<2022年4月27日>


今月末、長崎県対馬市厳原に対馬博物館がオープンします。


対馬で初めての総合博物館で、


その歴史・自然・文化を


五感を使って楽しみながら学べるようになっているそうです。


対馬といえば


江戸時代の朝鮮通信使など韓半島とのつながりが深いところですね。


縄文時代の佐賀貝塚遺跡からは


石器や釣り針とともに垂飾が出土しています。


垂飾とは小さな穴をあけ、そこに紐などを通して装飾に使ったもの。


いわばアクセサリーですね。


佐賀貝塚からみつかったこのアクセサリー、


キバノロという鹿の牙でできているんですって。


キバノロは韓半島や中国東北部にいて


日本にはいない動物。


つまり、このアクセサリーは縄文時代から


対馬と韓半島の間で交易がおこなわれていたことを示しています。


古代から韓半島とのつながりが深いとは知っていましたが


縄文時代にすでに往来があったんですねー。


佐賀貝塚遺跡の出土品は国の重要文化財に指定されています。


ところで、このキバノロという初めて知った動物、


小型の鹿だと聞いて調べてみたら


体高45~55㎝、体重は9~11㎏といいますから


ほんとうに小さいですね。


小さくて、顔もおだやかでかわいい感じなのですが


その顔に不釣り合いなほど長くて刀のように曲がった犬歯が


口の外に突き出ています。


特にオス。


小さな体に対してのこの牙、すごく目立ちます。


キバノロという名前はここからきているんでしょうね。


あ、でも、


キバは牙として、ノロはどういう意味なんだろう。


謎の多い動物、キバノロ。


性質はおとなしいというより臆病なんだとか。


水辺や湿地帯に住んでいます。


絶滅危惧種。

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