「かりん」9月号-オタクサ
<2023年9月16日>
今月号は5日に届きました。
巻頭の馬場あき子先生の「さくやこの花」は第152回。
今回取り上げられたのは次の1首です。
朝餉とは青いサラダを作ること青いサラダは亡きはは好みき
馬場あき子 『あさげゆふげ』(2018年)
「さくやこの花」は歌林の会のHPに順次アップされます。
私のうたは連作「オタクサ」が8首掲載されています。
その中から幾首かご紹介いたしますねー。
宇宙飛行士の星出さん気象予報士の晴山さんすぐ覚えたり
シーボルト名づけしオタクサ紫陽花に妻のお滝を呼ぶ声残す
追放ののちも交わしつシーボルトとお滝さんとの海越えし文
追放より三十年経てシーボルト日本に戻りきお瀧に会いき
水菊(スグク)といいオタクサという紫陽花はひとの思いにふくれてゆけり
名にひかれ土地にひかれて人は生くものか龍王山に雲湧く
キム・英子・ヨンジャ
私の母校、長崎県立女子短期大学は
親しみをこめて県民のかたがたからも県短と呼ばれていました。
(現・長崎県立大学シーボルト校)
坂を上ったところにある校舎のすぐ近くに
シーボルトゆかりの鳴滝塾跡があり、紫陽花が植えられていました。
その花が美しくさく時期にそこで
卒業アルバム用のクラス写真を撮りました。
私は英文科Aクラス。
シーボルトが妻をお滝さんと呼ぶとき、
発音が「オタクサ」になったそうです。
その妻の名を紫陽花につけたのです。
県短への坂の途中には「おたくさ」という喫茶店がありました。
同じ名前の長崎銘菓もあります(=^∸^=)
韓国では、紫陽花のことは水菊(スグク)といいます。
「龍王山」は私の」地元、福岡県飯塚市にある山です。
また、「前月号作品鑑賞」では拙歌も取り上げてくださいました。
(執筆・佐山加寿子さん)
ありがとう存じます。励みになります。
前月号の連作「夜鳴る」は
このブログにも書いたように呼び出し電話を詠ったもの。
その最後の1首について書いてくださいました。
兄ちゃんもよそでお世話になっとると電話の取り次ぎ断らぬ母
キム・英子・ヨンジャ
今月号は今年のかりん賞とかりん力作賞の発表号でした。
また、私のエッセイ「わたしと茶礼(タレ)」も掲載されています。
これらについては、また改めて書きますね。
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