top of page

「ほんたうに俺でよかつたのか」

  • momosaran
  • 2022年2月26日
  • 読了時間: 2分

更新日:2022年2月27日

<2022年2月26日>


きのうNHK・BS1で「ほんたうに俺でよかつたのか」というドキュメンタリーが放送されました。


歌人の河野裕子さんが2010年に64歳で亡くなったあと、


実家の押し入れから結婚前の6年間の日記が出てきたそうです。


夫で同じく歌人の永田和宏さんは


その日記をもとに雑誌「波」に連載を始めます。


「赤裸々な青春の軌跡。


なぜここまで過去をさらけだすのだろう。


永田さんの心に何が起きているのだろう」


番組からの問いに永田和宏さんはこう答えます。


「日記を読んでいくうちにこの連載始めようと思ったのは


本当にすごく恥ずかしいことで


だんだん自信がなくなってきたというか、


『ほんとうに俺でよかったのか』という思いがしてきた。


ただ、こんなふうに一途に思いながら


青春という時間を過ごしてきた女性がいたんだということだけは


知っておいてほしいなっていう


そんな気がしますよね」


永田さんは世界的な細胞生物学者の権威であるという。


そして歌壇を代表する歌人の一人である。


理系も文系もきわめたすごいかただ。


そのかたの生涯の伴侶であり


亡くなって10年以上たった今も


これほどまでに愛されているのが河野裕子さんなのだ。


そのことに圧倒される思いがした。



番組で紹介されたお二人の相聞歌から幾首か記します。


河野さんのうたは第1歌集に収録された若き日のもの。


永田さんのうたは河野さんが亡くなってからのものです。








  夕闇の桜花の記憶と重なりてはじめて聴きし日の君が血のおと


                                   河野裕子



  陽にすかし葉脈くらきを見つめをり二人のひとを愛してしまへり






  

 ああ、それは、人を遠くにやるしぐさ彼女には手をあはせないで欲しい 


                                  永田和宏  




 訊くことはつひになかつたほんたうに俺でよかつたのかと訊けなかつたのだ 






 
 
 

最新記事

すべて表示
貝澤駿一歌集『ダニー・ボーイ』

<2025年4月20日> 「かりん」の貝澤駿一さんが第一歌集を出版されました。 ( 本阿弥書店 2025年3月1日発行 2,200円+税 ) 松村正直さん・井上法子さん・坂井修一さんが栞を書いておられます。 歌集の中で、高校時代から教師である現在までの時間が流れます。...

 
 
 
ハート模様♡銀象嵌の太刀

<2025年4月19日> 今月、飯塚市歴史資料館に足を運びました。 市内の山王山古墳が15年の発掘調査を終えて 同館で関連の展示がおこなわれているのに合わせて 発掘調査を担当されたかたが くわしい報告をなさる講座がおこなわれたのです。...

 
 
 
ハングルはスパイの暗号⁉-「麗」

<2025年4月17日> 「ときめきポイント✨」と題した記事に書いたように 私が韓国ドラマ、特に時代劇でときめくポイントは チマチョゴリ(伝統衣装)、韓茶、詩歌、などです。 ドラマ「麗~花萌ゆる8人の皇子たち~」について...

 
 
 

Comments


最新記事
アーカイブ

© 2016 by kotonohasha

当サイトの文章・画像などの無断転載を禁止いたします。

 

bottom of page