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「新人類は今」

<2024年4月3日>


はやくも4月になりましたが、


「現代短歌」2024年3月号の特集は「新人類は今」。


そういえば新人類っていうことばがありましたね。


数年前、ひさしぶりにこのことばと再会したのは


米川千嘉子さんの次の1首によってでした。







団塊もしらけ世代も新人類も境界の意味溶けて老いゆく


                      『雪岱が描いた夜』 (2022年)






今回の「現代短歌」の特集では


巻頭に俵万智さんの連作「秋から冬へ」50首を置き


米川さんを含めて


新人類と呼ばれた世代にあたる歌人25名以上が


エッセイと連作10首を寄稿しています。


それから栗木京子さんをはじめとする評論3本、


そして


穂村弘さん・正岡豊さん・荻原裕幸さん(司会)によるトークセッションと


読み応えのある大特集です。


各エッセイもたいへん興味深く読んだのですが


もっとも印象に残ったのは、


トークセッションでの穂村弘さんのお話です。


おさんかたは同学年だそうです。(ちなみに俵万智さんんも同学年)


ごく個人的な感想として


このトークセッションでの穂村さんのお話は


これまでとは違う感じがして


これは同い年(同学年)のおふたりとのトークだからだろうか、


と関心をひかれました。


その後に穂村さんのエッセイを読むと


近年の「短歌ブーム」について思うことを述べつつ


このトークセッションでのご自身の発言を引用されています。


そして、次のように続けておられます。


「・・・トークセッションの中で、自分はこんなことを云っている。


あまりにも投げっぱなしの発言だが、


同学年の歌人が集まった同窓会的なイベントだから伝わるだろう、


という思いがあったのかもしれない。」


「短歌ブーム」への言及に赤線を引くと同時に


場の力の大きさというものを考えました。


「現代短歌」2024年3月号、これは保存版にしますー。







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