「水城」第279号
きのう、この夏初めて蝉の声を聞いたのですが
今日(2021年7月13日)午前中に、私の住む飯塚市を含む九州北部が梅雨明けしましたー。
平年より6日、昨年より17日早いそうですが
今年は梅雨入りが5月12日と観測史上2番目の早さだったので
梅雨の期間としては2か月という長さでした。
梅雨明けした今日は、飯塚市では最高気温33,9度!
今季の最も高い気温となりました。
ひゃー。
朝、洗濯物を干しにほんの少しベランダに出ただけで
腕がじりじりと焼けるような感じでした。
さて、コスモス短歌会福岡支部の会報「水城」。
2021年7月10日付発行の最新号です。
全28ページに、いつものように充実の内容。
支部会員のみなさまの作品から
印象に残ったうたをご紹介いたします。
今回は各首に短いコメントもつけました。
✤重さにて枚数わかる学生が一枚多いみたいと言へり
有川知津子
<紙一枚分の重さの違いがわかるなんて、驚異の感覚です。
もしかしたら本人にとっては普通のことかもしれないのですが。
人によって「普通」は違う。>
✤寝過ごした朝の通勤急がねばアンダンテよりスピードあげて
池田 毅
<下句にひかれました。
日頃音楽に親しんでいる作者なのかもしれません>
✤ヒトわれはこはいぞ逃げよ金柑の実をつつきゐる喧しき鵯(ひよ)
大西晶子
<出だしが人間と鳥というより生き物と生き物という感じがします>
✤からすにはからすの重さすずめにはすずめの重さあつて空飛ぶ
栗山由利
<伊藤一彦さんの鳥のうたを思い出しました。
もしかしたらそれを下敷きにしてあるのかもしれませんね>
✤格子状に座席は埋まりそののちにスクリーンから光ひろがる
手嶋千尋
<映画館の内部を上からみているような上句。
下句は上映が始まったことを表すものでしょうが
観客の心にも届く光なのではないでしょうか。
映画は、そして文化は不要のものではない>
✤正門に忌旗の揚がる大学を霊柩車にて亡夫とめぐる
濱田敬子
<万感の思いでご覧になったことと拝察申し上げます>
✤とめどなく出で来る灰汁はわが悪とおもひて苺煮る春の宵
増田順子
<灰汁と悪のアクの音を重ねて詠んであります。
煮ているのが苺というところがいいですね。
うたの中の〈われ〉は何か屈託を抱えているのかもしれません。
苺をことことと煮てつやつやとおいしそうなジャムになった頃、
心も落ち着きを取り戻すのかもしれません>
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