「水城」第283号
<2022年12月6日>
「コスモス」福岡支部の会報「水城」の最新号が届きました。
(2022年11月10日 発行)
いつもながら充実した内容がハンディーな冊子に収められています。
真摯な研鑽が積み上げられていて
こうした会報を年3回発行なさっていること、すごいなと思います。
会員のみなさまの作品から
一読して印象深かったおうたをご紹介いたしますね。
(敬称略)
巻頭作品 「朝食」10首より 永田惠美
方舟にしじみは乗つてゐたのかな朝はしじみのコンソメスープ
目玉焼きは貞淑なので一か所の破れがあつても恥ぢ入つてゐる
ハインツの瓶に入つたケチャップは気取り屋ですぐは開いてくれない
「近頃はあんたばっかり」かちかちのバターがオリーブオイルにあたる
桃の皮をむくとき指はねむくなるそのまま眠つてよかつたむかし
有川知津子
猫がをらば摘んで土産にするものを遊びごろなるねこじやらしの穂
大野英子
牧ノ戸を越えれば晴れて明るめり久住の山がせまりてあをし
中村仁彦
宅配食、介護施設と葬祭場のチラシとりをくどれか要るべし
橋本宣子
対面(トイメン)にボート漕ぐ父まぶしみて少女のわれは面伏せにけり
播田小弓
Kommentare