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「水城」第285号

<2023年7月6日>


「水城」はコスモス短歌会福岡支部の会報です。


年3回発行されています。


その最新号が出されましたので(2023年7月10日発行)


会員のみなさまの作品より


一読して印象に残ったおうたをご紹介いたします。






おとうとが立ち上がるときその肩に柩は見えて三月終はる


有川知津子







いつも何か忘れ物するさびしさにけふはリュックの口が空いてる


大野英子







かどどれぬ私をすこしおだやかに見せてくれるかまるい眼鏡は


栗山由利







われにチョコ、母にはポンズクリームを一回きりの父のおみやげ


末広芳子







何分か意識なかりき誰もこぬ庭の畑で仰向けのまま


中村仁彦







嬉し気にサロメがヨハネの首を持つ紙芝居見る聖書の時間


永田惠美







乗客がみな新聞を読みゐるとみれば競艇場行きのバス


橋本宣子







〈じゃない方〉だつたねわたしうぶすなの家でうからと暮らしゐし頃


藤野早苗







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