「水城」第286号
<2023年11月22日>
「水城」はコスモス短歌会福岡支部の支部報です。
最新号が11月10日付で発行されました。
福岡支部のみなさま、いつもお送りくださりありがとう存じます。
一読して印象に残った会員のかたがたの作品をご紹介しますね。
折り鶴はもうむづかしい人の手が薬ぶくろで折るだまし舟
有川知津子
束子もて洗ふ手首にこの夕べオクラの棘がチクチク刺さる
有中房子
コロナとは決して言はずタレントの休みの理由は体調不良
池田 毅
日中は元気にみえた老い夫が夕餉でむせてそれより弱気
大西晶子
川幅をいっぱいにして濁流は溢れる場所を求め流れる
栗山貴臣
冷豆腐たのしむ頃になりにけり庭にいくつの青紫蘇をつむ
末広芳子
透明な急須にお湯をそそいだら黄緑色の球体となる
手嶋千尋
全力でアリスはいつも逃げてゐる仕掛け絵本のページの上を
永田惠美
重要な取り引きに行く顔つきで川辺をジョギングしてゐるをとこ
橋本宣子
八月の豪雨に濡れて熱発すわれを送りしのちのたらちね
藤野早苗
まんまるの黒目愛らしロボホンは「うたをうたうね」「ダンスをするね」
増田順子
山桃の伐採を子に頼めども二泊で帰りぬわずか二泊で
増田柳子
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