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「水城」第287号

<2024年3月8日>


コスモス短歌会福岡支部の会報「水城」が届きました。


(2024年3月10日付 発行)


「コスモス」福岡支部のみなさま、


いつもご恵送くださり、ありがとう存じます。


会員のかたがたの作品より


一読して印象に残ったうたをご紹介いたします🐤







炊きたての飯をしやもじでかき混ぜてふんはりとした湯気を吸ひこむ


池田 毅







川沿ひにちひさな靴が落ちてゐる抱き上げられるときに落ちしか


有川知津子







小公園交替制なり黄の帽の児ら去り緑の帽の児ら来る


有中房子







向かう岸に船が入りきてすうびやうごこちらの岸を打ちつける波


大野英子







胸はつて歩かなきやつて背をのばす二センチくらゐ高くなつたよ


栗山由利







めづらしく雷ともなひて夕立(ゆだち)降る雨のむかうに母と青蚊帳


末広芳子







涙腺はほどほど緩くなりましてもう六十五 われはじいさん


辻本 浩







畳屋と下駄屋の下のせまき部屋ちやぶ台ひとつ置かれてしづか


中村仁彦







雨といふ字の点々が降つてきて舟といふ字になつて流れる


永田惠美







初任地の佐渡にて見初められたるを祖母は言ひたり十五のわれに


橋本宣子







町並みの背後に見えて吉野ケ里環濠集落茅葺きの屋根


播田小弓












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