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「洋画家 野見山暁治と飯塚展」

  • momosaran
  • 2024年11月14日
  • 読了時間: 2分

<2024年11月14日>


昨年亡くなった飯塚市出身の画家・野見山暁治さん。


アトリエ兼ご自宅のあった東京・練馬の練馬区立美術館では


「追悼・野見山暁治展」が開催されています。


そして故郷・飯塚では飯塚市歴史資料館において


「洋画家 野見山暁治と飯塚展」がおこなわれています。


(11月24日(日)まで。水曜日は休館)


出品されているのは1947年の「自画像」をはじめとして


「廃坑(A)」「廃坑(E)」「群像(坑内)」「ベルギーのボタ山」ほか


飯塚の炭坑とヨーロッパ留学中に訪れた炭坑を描いた初期の作品。


それから故郷の遠賀川を1990年代に描いた作品4点など。


その他にも「もう行かない」(2007年)などの


寄贈作品が展示されています。


今回の展覧会の特徴はこうした絵画作品に加えて


画伯が少年時代を過ごした頃の飯塚の炭坑や町の風景を


紹介していることです。


古地図・古写真のほか、昭和8年に描かれた飯塚市鳥瞰図や


画伯の父で昭和炭鉱の経営者であった野見山佐一氏の資料も。


故郷ならではの興味深い展示内容になっています。


東京国立近代美術館での「野見山暁治展」(2003年)の図録に


画伯が寄せた文章の中で


若き日、パリからベルギーに行く途中に


車窓から炭坑の風景を見た時のことを


こう書かれています。


「(…)汽車の窓に映る景色を見て、わたしはたじろいだ。


炭坑のまっただ中をつっ走っている。


どういったらいいのか、


母の胎内に還ってゆくような幻覚をおぼえた。


人間にとって、ものごころがつくまでの環境というか、


偶然にも投げ出された舞台が、どんなに貴重なものなのか、


思いもかけず異国の中で出会ったことによって、


わたしは初めて知った。


(中略)


(ボタ山は)絵描きとしてのわたしを大きく支配しているのかもしれない。


(…)私の仕事は、かなりこの土地に起因しているのだろう」






 
 
 

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