一茶のセリフ~風雅の心~
<2022年1月12日>
江戸時代の俳人、小林一茶については
その有名な句のいくつかを知っている程度でした。
昨年の年末に一茶についてのお話を(画面越しに)聴き、
少し関心が出てきたところに
年が明けてから一茶の一生を描いたドラマを観ました。
「おらが春~小林一茶~」。
(脚本:市川森一、原作:田辺聖子「ひねくれ一茶」)
タイトルは一茶の代表的な句
めでたさも中くらゐなりおらが春
からきているのでしょう。
ちょうど20年前にNHKで製作されたものなので
小松政夫さんや財津一郎さんといった名脇役が見られるのも嬉しいところです。
一茶を演じるのは西田敏行さん。
このドラマで最も印象に残った場面は
一茶が弟子の花嬌(かたせ梨乃さん)から
俳諧の風雅の心とはどういうものかと問われるところです。
西田敏行さん演じる一茶はこう答えます。
「あわれみの心。
そして、びっくりする心。
ひとの世のおもしろさを愛で、興ずる心。
何かみつけたら、わあーっとびっくりして
はっ、こりゃおもしれえやと目を凝らす。
それは何も立派なもんじゃなくてもいい。
ひとの醜さ、愚かさを詠んでも
それは風雅になるんです」
この「びっくりする心」というのは
歌人の穂村弘さんが短歌についてご著書で書いておられる
「シンパシーよりもワンダー」、
このワンダーに通じるように思いました。
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