古志香歌集『Banksia バンクシア』
<2024年2月7日>
「かりん」の古志香さんの第2歌集が出版されました。
(本阿弥書店 2024年1月16日発行 2,700円+税 )
栞を島田修三、小島ゆかり、奥田亡羊の各氏が書いておられます。
刊行されたばかりのこちらの歌集から
心惹かれた作品をご紹介します。
しづかにしづかにパトカーは来てアパートの孤独死が処理された秋の日
荒き簓(ささら)となるまで叩く冬ごばう傷負ふものに味ふかく浸む
わが字にて「九月に蒔く」と書いてある種袋うすく埃積みたり
われにラブレターくれしもの好きいくたりか優しい順にふたり死にたり
掬はむとすればふはつと舞ひ上がる微塵の骨なり義父よ安かれ
弟はためらはずまた疑はずわが看し母の喪主となること
母みづから選びし遺影おとうとと旅する海の青に笑つて
現実(うつつ)なり転職サイトまがまがとヤ行の列に「傭兵」が載る
残塁を重ねてやがて負けるのか風聴きに来しひなげしの土手
バンクシアの花言葉「心地よい孤独」やせこけた地によく育つとふ
古志香さん、第2歌集のご上梓おめでとう存じます✨
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