川島結佳子歌集『アキレスならば死んでるところ』
- momosaran
- 2024年7月11日
- 読了時間: 1分
<2024年7月11日>
「かりん」の川島結佳子さんの第2歌集が出版されました。
( 現代短歌社 2014年6月18日 2,000円+税 )
歌集のタイトルは次の1首からとられたものでしょう。
足首を何度も何度も蚊は刺してアキレスならば死んでるところ
365首がほぼ編年体で収録されています。
そのほとんどが2020年3月以降に発表された作品であることに注目しました。
(第1歌集の『感傷ストーブ』は2014年から2018年までの作品)
コロナ禍を振り返るというよりも
歌集の中でもう一度初めからコロナ禍が始まるような
そんな感覚になりました。
特に比喩にぐいぐい引き込まれる歌集です。
オンライン会議のために上半身着替えてわたしケンタウルスのよう
包丁でキャベツを二つに割るときに新雪を踏みしめてゆく音
ひき肉のかたまりをキャベツで巻けば簀巻きにされた罪人のよう
シャーペンの先から芯を入れる眼をして蜜蜂を食おうとする猫
宇宙から見れば発光する惑星真冬のイルミネーションを行く
登山用リュックに在宅用パソコンを入れて出勤用パンプスを履く
シリアの時は言ってなかったプーチンの悪口の間も染まりゆく髪
蜘蛛の巣にかかってしまえば無視できる重力 さくらの蘂は空中に
無理やり死者を蘇らせる強さにて締めつけてゆく六角ボルト
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