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忘れぬひと

<2023年3月19日>


今日は、私を短歌の娘と呼んでくださったかたのお命日です。


年齢は20歳ほど離れていましたが


私と同じ在日韓国人2世で、


短歌を通じて親しくなり


私のことを娘のようだと言ってくださっていました。


突然 病がわかって


70歳を少し過ぎたばかりで他界なさいました。


私もそのかたのことを短歌のオモニと思っていたので


とてもショックでした。


亡くなってから10年以上たちますが


忘れることはありません。


遠方にお住まいだったので


お命日には毎年ささやかなお供え物をお送りして


ご家族にご仏前に供えていただいています。


8年ほど前には飛行機に乗ってお墓参りにもうかがいました。


短歌を介してのおつきあいだったからこそ


年齢が離れていても


離れた土地に住んでいても


お互いの深い思いまでわかちあえたのだと思います。


私の第2歌集出版は2012年。


その時はすでに他界なさっていたので


お見せすることはできず残念でしたが


ご家族にお送りしてご仏前に供えていただきました。


その第2歌集『百年の祭祀(チェサ)』のあとがきの日付は


2012年3月19日。


2005年に第1歌集『サラン』を上梓した折


とても喜んでくださって


これからはサインをする機会も多くなるだろうからと


京都のお店オリジナルの素敵な筆ペンを贈ってくださいました。


第2歌集はお見せすることができなかったけれど


せめてもの気持ちで


あとがきの日付をそのかたのお命日の日付としたのです。


今日はそのかたの歌集をまた開いて偲びたいと思います。






 

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