栗木京子歌集『新しき過去』
<2023年4月29日>
2015年から出講している、
嘉麻のおくら短歌同好会での短歌講座は
コロナ禍のためリモートでおこなっておりましたが
今月25日、3年ぶりにじかにお目にかかっての講座となりました。
(今月は私が講師をつとめている3つの短歌講座すべてを
対面でおこないましたー)
こちらの短歌同好会には
なんと、今年になって新しい会員のかたが2名入っていらして。
全員男性の会員の中に2名の女性新会員。
嬉しいことです♪
講座前半の秀歌鑑賞でご紹介したのは
栗木京子さんの歌集『新しき過去』。
昨年9月に発行された第11歌集です。
タイトルは次の1首よりとられています。
葉の間にいちやうの緑き実の見えて新しき過去かがやくごとし
※ 間(あひ) 緑き(あをき)
2017年10月から2022年4月までの作品が収録されているので
コロナ禍の前と後、 両方の作品を読むことができます。
そこにも奥行きを感じました。
大好きなうたが幾首もあるので
短歌講座のみなさまにもお伝えしたいと思ったのです。
そうした作品の中から幾首かご紹介しますね。
花の蜜よりも木の蜜しづかにて眠れぬ夜の紅茶に垂らす
夕闇に白木蓮の咲きのこり守れぬ約束なれば忘れず
楽しきもの想ひ眠らむひまはりの野をゆく移動図書館などを
からーんとした真昼の部屋に寝ころびぬ会はねど足るる関はりばかり
オンライン会議を終へてピルエットしつつ厨に水飲みにゆく
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