池田玲歌集『水色の傘は買はない』
<2022年8月18日>
「かりん」の池田玲さんの初の歌集が出版されました。
(いりの舎 2022年8月8日発行 2,000円+税)
タイトルは次の1首からとられたようです。
水色の傘は買はない紫陽花のやうにうなだれ濡れたくはない
解説を畑彩子さんが、
帯文を米川千嘉子さんが書いておられます。
装幀も、
水色を基調として控えめにキラキラも入っていて素敵です。
池田さんとはお目にかかったことはありませんが
「かりん」誌で拝読した作品が印象に残っています。
池田さん、第1歌集のご上梓、おめでとう存じます。
「大変などくだみでしたよ」笑む庭師育ててゐたとはいまさら言へず
歯ごたへの良さを褒め合ふなかにゐて死後硬直の鰤と思へり
肉体に閉ぢこめられて皆ひとり混じり合はざる海湛へつつ
ときとして邪魔とされつつ重からず一円玉のやうなわれかも
灯明のごとくスマホを光らせて夜の歩道を少女らがゆく
焼きたてのレモンシフォンに刺すフォーク「死体腎」待つ話がはづむ
発熱の際は来院しないでと言はれてしまふ透析者われ
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