田村広志歌集『捜してます』
- momosaran
- 2022年10月8日
- 読了時間: 1分
<2022年10月8日>
「かりん」の田村広志さん(選歌委員)の歌集が出版されました。
(角川書店 2022年9月10日発行 2,600円+税)
『漠底』に続く第6歌集です。
タイトルは次の1首から取られているようです。
捜してます昭和二十年六月二十日喜屋武岬に不明の父を
出征して沖縄戦で亡くなったお父さま。
作者はずっと沖縄に通ってガマで遺骨さがしを続けておられます。
そのことをうたった作品は「かりん」でも拝読してまいりましたが
まとめられて歌集に収まると
これまでよりさらに迫力をもって読む者の胸に届きます。
遺骨捜しだけでなく沖縄の現在を詠んだうたもあります。
病を得たうたや、
憲法9条への思い、
そして
2017年に逝去された「かりん」の岩田正先生を詠んだうたも
数多くあります。
田村さんは『岩田正の歌』という著書をお持ちですが
作者にとって岩田先生がどれほど大きな存在であったかを
ひしひしと感じます。
ヘッドランプ切るときガマのうすい闇この世の真の昏さと思う
みな誰も無口にちりぢり別れあう通夜なり若き死者の辛さに
佐々木実之2首
軍手というかなしき名前の手袋して父の遺骨を掘るとかがまる
父と呼ぶことも呼ばるることもなく終わる一世の喜寿を過ぎ行く
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