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白蓮さんの最後の歌集

  • momosaran
  • 2023年6月25日
  • 読了時間: 2分

更新日:2023年7月6日

<2023年6月25日>


私の手元に『地平線』という歌集があります。


これは飯塚市ゆかりの歌人、柳原白蓮の最終歌集です。


白蓮さんの初めての歌集は


飯塚で暮らしていた時に


当時の夫、伊藤伝右衛門の援助により出版された『踏絵』です。


こちらの装幀は鮮やかで艶のあるグリーン。


2008年にながらみ書房から復刻本が出て


飯塚市の旧伊藤邸の売店でも販売され、


うれしいことに手に入れやすくなっています。


一方、最終歌集の『地平線』は1956(昭和31)年の刊行。


私が持っているのは復刻本ではなく、初版本です。


2007年に旧伊藤邸の一般公開が始まった折、


その記念として


白蓮さんの宮崎家に保管されていた初版本を


飯塚市民に頒布されることになりました。


ただし数に限りがあるので応募多数の場合は抽選とのこと。


ぜひ購入したいと思って応募しましたが


抽選に外れたと通知が届いて肩を落としました。


けれどもその後にキャンセルが出たということで


ぶじ購入することができたのです。


こちらの装幀は薄いグリーンの地に


植物の葉と蔓をモチーフとしたデザインが美しい。


きのう開催した第63回いいづか短歌サロンに


参考資料として持参するため書棚から出して気づいたのが


発行日が62年前の6月25日であること。


きのうは6月24日でした。


これも「短歌の偶然」ですね(=^∸^=)


(短歌をやっていると偶然がよく起こるんです)



『地平線』の掉尾のうたをご紹介いたします。





夢二忌や我をはるばるたづね来し筑紫の海の潮鳴きこゆ


                       柳原白蓮





竹久夢二は第1歌集『踏絵』の装幀を担当しました。


その頃夢二は福岡市にあった伊藤家の別邸(銅御殿)に


白蓮さんを訪ねたことがあります。


その後も交流していたことから


白蓮さんは夢二の命日におこなわれる夢二忌に参列し、


その際にこのうたを詠んだといわれています。


  



 
 
 

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