花山多佳子歌集『三本のやまぼふし』
- momosaran
- 2024年12月28日
- 読了時間: 2分
<2024年12月28日>
20日に発売された「短歌研究」1月・2月合併号に
花山多佳子さんの歌集『三本のやまぼふし』書評を寄稿しました。
2015年から2020年まで、
作者60代後半から70代前半の494首を収めた第12歌集です。
とても心ひかれたので
今月のいいづか短歌サロン(第81回)でもご紹介しました。
「短歌研究」1月・2月号の書評や
いいづか短歌サロンで取り上げた作品以外にも
心ひかれるうたがたくさんありますので
そちらの一部をここでご紹介したく思います。
猫の見つかるまじなひを教へてほしいといふファックスに何と返事をしたか
よく晴れて木枯し一番吹いた日に米大統領選トランプ勝利す
人前に声はりあげて歌ふ夢 この歌知らないと思ひながらに
「ある朝めざめてさらばさらば」と歌声のきこゆるごとしある朝めざめて
万葉集を時の宰相が言ふときに同調圧力の「令和」来向かふ
重大なことを忘れてゐるやうな気がするたとへば夜がくること
「小さな喜びで満足しよう」と七夕の短冊にありこれは願ひか
橋の下に鳥ゐるらしも街川のおもてに水紋がひろがつてくる
この川をたどれば続く沼のほとりに矢車の花の群れ咲くところに
注射針刺さるところが大写しになるたび思ふなぜ写すのか
壁抜けはできるけれどもひどく辛い そんな記憶のありし少女期
誰かから息子がもらひし蜂蜜は琥珀のごとし永遠にある
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