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谷川保子歌集『おもてなしロボ』

<2024年9月17日>


2018年に「かりん賞」を受賞なさった谷川保子さんの第1歌集です。


( 短歌研究社 2024年7月20日発行 2,500円+税 )


栞を川野里子さん、山崎聡子さん、藪内亮輔さんが書いておられます。


タイトルについては、歌集中に次の1首があります。







目の合った人に尽くしてしまうから後ろから起動「おもてなしロボ」









保育士として、


女性として、


ひととして


命を深くみつめる谷川保子さんのうたの数々に


眼が離せなくなります。







電源を入れれば愛を上書きしキュイーンと鳴けり老犬AIBO







妊娠を希望する人は手をあげて裁きのごとき保育士会議







ダウン症の少女はわれのため息に気がつくたびに席立ちあがる







しあわせなら手をたたこうの手をたたく音に怯えて目つむる子ども







喜びと哀しみおなじ鳴き声のうさぎは子ども身ごもっている







五分ごと子らの寝息に手をかざし表に丸する〇歳児室







公園を散歩しているももいろのインコはマナーパンツを履いて







静けさの満つる納戸に子どもらの足音聞こゆいつの身内か







くりかえすことの安堵を知っている同じ花蕾を増やすロマネスコ








いっせいに樹々の鳥たち飛び立ちて爆撃を知る戦火の聾者


















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