長崎と わたしと、 うた
<2022年8月9日>
八月九日。
十一時にアラーム設定する朝静かに祈る二分後のため
(朝=あした)
これは第2歌集『百年の祭祀(チェサ)』(2012年)に収めたうたです。
当時は博多の事務所に勤めていました。
あわただしく仕事をしていて、
その手を止めることができなかった、ということを防ぐための
アラームでした。
現在はアラームをかける必要はありません。
自宅で、静かに黙祷をします。
そして、こうした時、
必ず脳裏に浮かぶ1首があります。
長崎の歌人、竹山広さん(1920~2010年)のうたです。
一分ときめてぬか俯す黙禱の「終り」といへばみな終るなり
竹山 広
このうたは講師をつとめる短歌講座でも
折にふれてご紹介しています。
私の「十一時に・・・」のうたは
『百年の祭祀』の最後の一連「ブルーポピー」の
冒頭に置いた1首です。
「ブルーポピー」のふたつ前には
「鳴滝」と題した連作10首があります。
私は高校卒業後、長崎に進学し、
その学生寮「鳴滝寮」で2年間を過ごしました。
連作「鳴滝」は なつかしい鳴滝寮を詠んだものです。
その中に、次の1首があります。
鳴滝寮の毎年恒例のクリスマス会でのことです。
鳴滝の寮の仲間のみな歌詞をそらで歌いぬ「長崎の鐘」
キム・英子・ヨンジャ
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