炭坑に生きた歌人、山本詞(1)
- momosaran
- 2017年4月13日
- 読了時間: 2分
山本作兵衛翁の炭坑記録画が世界記憶遺産に登録されたことや
廃墟ブームも加わってか、炭坑に関心を持つ人が増えています。
私が生まれ育ったのは、かつて日本一の産炭量を誇った筑豊。
父も炭坑関係の仕事をしていました。
山本詞(やまもとつぐる)を知ったのは、地元の郷土研究会から依頼を受け、
筑豊と短歌をテーマに講演することになったのがきっかけです。
準備のため資料を読む中で「炭坑歌人」に出会いました。
戦後 文化運動が起こり、職場や地域に多くの文化サークルが生まれました。
福岡県では、たとえばデパートや電電公社(のちのNTT)、国鉄(現在のJR)、
八幡製鉄所などの各職場でサークルが作られ、サークル誌の発行も盛んでした。
大小たくさんの炭坑がある筑豊でも多くのサークル誌が発行されました。
サークル誌には詩や俳句、紀行文、ルポ、往復書簡などとともに
炭坑での労働や生活を詠んだ短歌も掲載されました。
そうした短歌を詠んだ人々はサークル誌だけではなく、
「月刊炭労」や新聞歌壇への投稿、短歌結社誌での発表、
中央歌壇の新人賞への応募などもおこない、
他の媒体でも注目を集めるようになります。
そうした人々は当時炭坑歌人と呼ばれました。
その中でも代表的な存在が山本詞です。
(2)へつづく
最新記事
すべて表示朝日新聞・筑豊版の「筑豊さんぽ道」に執筆中です。 連載第5回は今日の紙面に掲載されました。 見出しは「愛する人の回復願い続けて 炭坑の歌人 32歳の事故死」。 山本詞(やまもと・つぐる)のことを書きました。 (見出しは基本的に新聞社でつけてくださいます。...
ひさしぶりに観ました、映画「フラガール」(李相日監督)。 公開時(2006年)、 たぶん福岡では一番早い試写会で観る機会を得ました。 岸部一徳さん、安定した味わい。 主演の蒼井優ちゃん、かわいかった。 松雪泰子さん、かっこよかった。 その中でも、一番印象に残ったのが...
今日は山本詞(やまもと・つぐる)の命日です。 1962(昭和37)年3月30日、坑内の炭車事故により亡くなりました。 享年32歳。 3月3日に誕生日を迎えたばかりでした。 炭鉱の歌人、山本詞が生まれたのは田川の糸田町にあった 豊国炭坑の炭住です。...
Comments