未来あるごと
わがやの窓の近くにはなみずきがあります。
今日、白い花がいくつも咲いているのに気がつきました。
もともと木に咲く花が好きなのですが
はなみずきは、若葉の頃、花咲く時季、青葉、葉の色づく秋と
一年をとおしてそのたたずまいに惹かれます。
朝(あした)この佳きもの鳥はハナミズキに鳴くわたくしに未来あるごと
キム・英子・ヨンジャ 「かりん」2015年11月号
2015年、はなみずきの青葉が輝く頃、衝撃的なできごとが身の上に起きました。
これからどうすると問われても、突然のことに答えることもできません。
この時にとにかく決めたことは、三つ。
早起きをすること。
栄養のバランスを考えた手作りの食事をいただくこと。
そして、考えないことです。
大きなショックから自分の心と体を守るためでした。
上記の一首はその頃に生まれたうたです。
朝の清々しさがほんのいっときでも私を救ってくれました。
この歌を含む一連が「かりん」11月号の「かりん集」(馬場先生による特選欄)に
掲載されたことは私にとって励ましとなりました。
そして翌2016年に「かりん」5月号で「いのち」の歌-現代の生老病死ーという特集が
組まれた際、「かりん」誌のこの一年の「いのちの歌」アンソロジー五十首(Ⅰ欄)
に選ばれたことは少し意外でもあり、嬉しいことでした。
(この号から昇欄して本欄になりましたが、この一年からのアンソロジーなので
この特集ページではⅠ欄として掲載されています)