炭坑に生きた歌人、山本詞(2)
- momosaran
- 2017年4月17日
- 読了時間: 2分
「炭坑歌人」について知りたくなった私は、まず市内の図書館へ出かけて
『嘉麻の里』を調べました。
『嘉麻の里』は1985年5月に創刊し、2012年まで続いた地元の月刊雑誌です。
こんなに長く続いたものなのに、私にはあまりなじみのないものでした。
1985年といえば、結婚して筑豊を離れたのがその年の4月です。
後年、いろいろな場所に設置してあるのを目にして、手に取ってみたこともあります。
地元選出の麻生太郎衆議院議員(後に総理大臣、現在は副総理兼財務大臣)の
随筆が巻頭を飾っていました。
この随筆の連載は長く続きます。
雑誌が発行されていた当時はそれ以上の内容を知ることもありませんでした。
それが、昨年、筑豊と短歌をテーマに講演するために資料にあたろうとした時
まっさきに頭に浮かんだのがこの雑誌です。
郷土の資料は開架と閉架のものがあり、他にも十冊近く書名をメモしていったものは
ほとんどが閉架、つまり書庫に収まっているものでした。
図書館のかたにお世話になってそれらの資料を出していただきましたが
『嘉麻の里』については冊数が膨大なため、まず三十冊ほどをお願いしました。
それらに一冊ずつ目を通していくと…
ありました!
同誌の237号(平成17年2月号)に「炭鉱を詠んだ歌」という記事をみつけました。
炭坑の労働や生活をうたった短歌が二十首並んでいます。
後になって振り返るとそのうちの三首が山本詞のうたでした。
(3)につづく
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