桜のうた-あんぱんの
きのうは19時から「嘉麻のおくら短歌同好会」短歌講座。
先月見学に来られたかたが今月から詠草を出してくださってます。
こちらの講座を始めたのは、2015年5月。
今回でちょうど2年になります。
この間、少しずつ軌道修正したり新しいアイデアを加えたりしながら
続けてきました。
クリエイターのかたやまちづくりに取り組んでいる30代の市会議員のかた、
俳句のベテランのかたや10代の頃から詩を書いていらっしゃるかたなど、
さまざまな経歴をもつメンバーの皆さんといろいろなお話をするこの時間を
私自身が楽しんでいます。
今月のテーマは「桜のうた」。
馬場あき子先生の
夜半さめて見れば夜半さえしらじらと桜散りおりとどまらざらん
のほか、上田三四二や岡本かの子、山中智恵子などの桜の名歌に加えて、
先月上梓されたばかりの歌集からも取り上げました。
さくらにも運命はありあんぱんのへそにすわってしっとりと咲く
鈴木美紀子 『風のアンダースタディ』
さくらに運命とくると、ぱっと咲いてぱっと散る、それを桜の運命と言っているのかと
思っていると、三句にあんぱんが出てきて ん? となります。
頭の中に?が浮かんだ状態で読み進めていくと、桜あんパンの上に載っている塩漬
けの桜の花のことだとわかります。
開花を待ちわびられて、愛でられ、ほんのひとときで散っていく桜。
死や戦争のイメージと結びついている花。
でも、中には散る前に塩漬けにされてあんぱんの上にのっかるものもある。
イメージや運命からさらりと身をかわすような、かろやかな歌です。