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『痩せ我慢』


山野吾郎さんが歌集『痩せ我慢』をご恵送くださいました。

(短歌研究社 2017年4月23日発行)

ありがとう存じます。

山野さんは佐賀県の短歌結社「ひのくに」の代表でいらっしゃいます。

「ひのくに」は今年創刊九十五周年だそうです。

山野さんには2005年に第一歌集『サラン』を上梓したあと、

「ひのくに」会員のかたを通して初めてお会いいたしました。

ダンディなかたという印象をもちました。

それは歌集タイトルとなった一首

    つきつめて男はみんな痩せ我慢冷奴(やっこ)にずぶり箸を突き刺す

にも表れているように思います。

数年前千葉県に移られるまでは長く東京に住んでいらして

佐賀に通っていらっしゃる山野さん。

病を経ての第二歌集出版を心よりお祝い申し上げます。

    初めてを君に出会いしかの冬のローカル列車の固き木の椅子

    あのときに死んでいたなら三回忌秋の冷気を息ふかく吸う

    不可思議と思わぬ暮らしは硬貨にて電話のかかるそのあたりまで

    会果てし雨の巷に寄りそいておとこ二人にゆく先がある


 
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