寄贈-夕陽の図書館
飯塚市立図書館に第二歌集『百年の祭祀(チェサ)』を寄贈しました。
以前、飯塚市の図書館は西町にありました。
バスセンターからまっすぐ西町方面へゆるい勾配をしばらくのぼって
左に曲がると、そこにはまた坂が。
その先にある飯塚文化センターの左わきに外階段がついていて
そこを上がった三階部分に図書館の入り口がありました。
西町の図書館はのぼってのぼって行き着くところ。
その分眺めが良くて、夕陽のオレンジ色のイメージがあります。
十代の頃は友だちと夏休みに通って宿題をしました。
韓国や在日コリアン関係の本をまとめて読むことになって通ったこともあるし、
何より子どもが小さい時は夜寝る前にに読み聞かせる絵本を借りるため
定期的に行っていました。
その頃とは場所も建物も変わりましたが、そういう思い出のある図書館に
自分の歌集が並ぶと思うと、不思議な感じがします。
今でも憶えているのは、西町にあった図書館で韓国関連の書架の前にいたら
市役所職員の女性二人がやってきたことです。
釜山について調べようとしているのですが、
「プサン」ではなく「ふざん」と発音していました。
「えーっと、ふざん、ふざんの本は、と…。あれ、ふざんって韓国よね?
韓国にあるんだよね?」
確かに以前は日本語読みでふざんと呼ぶ人のほうが多かったですよね。
その頃は韓流なんて想像もできませんでした。
いまだったらプサンが韓国の都市だと知らない人は少ないし
何よりそこの人口や産業を調べるのはインターネットを使うでしょう。
歳月が流れたということですねぇ。
1990年代でした。
そういえば、私の歌集、短歌のコーナーに並べてもらえるでしょうか?
お渡しするときに歌集ですとは申し添えたけれど
タイトルからすると、韓国のコーナーに並べられる可能性もあります。
かつてそこから60冊を借り出した韓国関連の書架に
今度は私の名前が記された背表紙が立つのだと思えば
それもまた良し、です(=^∸^=)