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生まれて初めて詠んだ短歌


初めてうたを詠んだのはいつですか?

そんなテーマの原稿を依頼されたことがあります。

私の場合は中学生の時でした。

国語の宿題として作ったのではなく

夏休みも終わりに近づいたある日の暮れがたに

ふっと心に浮かんだのです。

それを反芻してみて

あ、これは(教科書で習った)短歌だ、と気づきました。

そのときのうたが次の二首です。

     夕暮れはさびしかりけり風の音虫の声にぞなぐさめられぬ

     かの君の思い出思い泣く涙伝えたけれど術もまたなし

これをいまの私がセルフ講評してみると―――

一首目は、平凡ではあるけれど、強調の「ぞ」などという文語をどこで覚えたのだろう

と思います。夏の終わりの季節感があまり出せていません。

二首目は、二句と三句のどちらも意味が重なっています。

結句はよく使う言い方で、工夫が足りません。

以上、現在の私からツッコミ(?)を入れてみました。

けっして上手なうたではありません。

けれど、この夕暮れから歌とのつながりが始まったことを思うと

何か不思議なものを感じます。


 
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