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若き歌詠み、まちに集う

  • momosaran
  • 2017年5月18日
  • 読了時間: 3分

若い世代に短歌を詠む人が増えています。

近年 新聞やテレビなどマスコミでも取り上げられているように

ブログやツイッターなどSNSで気軽に自作を発表できるようになったことが

大きいようです。

短歌の三十一音という短さがツイッターと相性がいいのだろうという話は

よくききます。その他に、この伝統的短詩型が今彼ら、彼女らに好まれる理由は

個人的には、生きにくい時代を生きている若い世代が短歌のもつ力を

無意識に感じ取った部分もあるのではないかと思います。

彼らはインターネット上で同じくらいの世代と交流をしていて

彼ら自身を短歌クラスタ(短歌愛好者)と呼ぶこともあります。

これまでは、短歌を始めるとしたらオーソドックスなのは

短歌結社に入って研鑽を積むというものでした。

短歌クラスタには、結社に所属している人もいない人もいますが

所属していない人のほうが多いように感じます。

そうした若い世代が、今、インターネット上の交流から

実際に集まって歌会をおこなうことにシフトしつつあります。

歌会といえば、まず思い浮かぶのは短歌結社がおこなうものですね。

大学の短歌会でいうと、京都の京大短歌会、東京の早稲田大学短歌会は

以前から有名でした。

現在は、南は福岡の九州大学短歌会、北は北海道大学短歌会まで

その数はぐんと増えました。

大学の短歌会は、その大学の学生だけではなく、OBや他の大学の学生なども

含めて歌会をおこなってきた実績があります。

いま次々に立ち上げられているのは、結社や大学短歌会の歌会のほかに

短歌クラスタの個人やグループがSNSで呼びかけ、参加者を募って

喫茶店や時にはファミリーレストランで開く歌会です。

ひと月ほど前から告知するものもあれば

「本日18時から○○(喫茶店)で歌会やります!

参加希望者は17時までに詠草(歌会に出す短歌)を送って下さい!」と

ツイッターに書き込まれることもあります。

ともあれ、こうした状況は短歌クラスタの人達が

実際に顔を合わせてお互いの歌を読み合い、解釈したりされたり、

批評したりされたりすることの楽しさや大切さや必要性をを感じていることに

他ならないと思います。

短歌は「座の文学」です。

他者が読むことで作者の意図とはまた違った解釈が生まれ

そのうたの世界が広がることもあります。

だからこそ、短歌クラスタの人々がインターネットから飛び出して

あちらこちらの街で歌会を開き始めたのではないかと思っています。

来たる5月28日から始める短歌サロンも、「場」をつくることを大事にしています。

(短歌サロンはおいしいお茶とお菓子を楽しみながらうたを読み、学ぶ場です。

前半は季節に合わせた秀歌を私がご紹介してその背景や技法にも触れ、

後半は無記名の歌会スタイルでお互いのうたを読み合います。)

飯塚は柳原白蓮ゆかりの地であり、旧伊藤伝右衛門邸は飯塚一の観光名所ですが

残念なことに市内の各公民館講座にも短歌講座は無く

飯塚文化連盟に加盟している何百という団体に短歌会は皆無です。

お隣の嘉麻市や桂川町には古くからの短歌会があって活動なさっていることは

新聞の筑豊版文芸欄でときどき拝見することはできますけれど

筑豊全体も短歌が盛んであるとはいえない状況に見受けられます。

(俳句の講座は多くあるようです)

そうした中で始める短歌サロンは小さなものではあるけれど

まず飯塚にうたの場をつくること。

そうして、たとえ少しずつでも短歌の楽しさを伝える活動を広げていきます。


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