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『チェーホフの背骨』


「かりん」の望月孝一さんが『チェーホフの背骨』をご恵送くださいました。

(コールサック社・2017年6月2日発行)

ありがとう存じます。

あとがきによると、望月さんの最初の短歌は30年ほど前の紀行文に

収められています。その後、1995年に「かりん」に入会。

2010年にエッセイ集『山行十話』を上梓なさっています。

今回の『チェーホフの背骨』は「かりん」入会から22年目の第一歌集となりますが

東日本大震災以降の6年間に詠んだ近作のみを収録されています。

歌集タイトルは

    絶望のはての堕落を救うもの「そは子供なり」チェーホフの背骨

からとられています。

この一首を含む「チェーホフ『サハリン島』一」と題された連作は三まで続きます。

ロシアの文豪が島で何千人もの島民に対面して著したドキュメントを19世紀文学

として読み、その感慨をうたに詠んだものです。

他にも、戦場に赴いた父親や伯父を事実を丹念にたどりながらうたう多くの作品も

収録されています。

     死亡時刻を家族到着の刻(とき)とせる医師のはからいそのまま受ける

     門松を今年はたてず福よばずなれど福引つぎつぎ当る


 
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