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羊-眠れない夜になぜ数えるのか


羊が一匹、羊が二匹、羊が・・・。

眠れなくて困る時は(柵を越える)羊を思い描いて数えるといいと言われますよね。

私もたまに眠れない夜があり、試してみたことがあります。

でも、羊が何十匹かになった時点であきらめるのが常です。

羊、数えても全然眠れん。・・・

これは私だけなのでしょうか。

そうでないとしたら、なぜこのように言われるのでしょうか。

不思議に思っていました。

その疑問を、ある短歌を読んで解決することができました。

昨日ご紹介した歌集『ざうのあたま』には

アメリカへ赴任して二年を過ごされた折のうたも多いのですが

その中に次の一首があります。

眠られぬ夜は羊をこの国の言葉で数ふ1シープ2しいーーぷ

                                  櫛田如堂

ハッとしました。

羊を数えるというのは日本古来の言い伝えではないことはわかっていました。

それを日本語で数えることに無理があったんですね。

羊は英語でsheep。複数になってもsはつかずsheepのままです。

シーという音は、日本でも「静かに」と伝えたいとき

口にまっすぐ立てた人差し指をあててそう言いますね。

shee(シー)という音は静寂やリラックスを連想させるものであり

発音の際に息を長く吐くことも深呼吸に通じて

副交感神経を優位にするのかもしれません。

また、この音は自分一人というよりも

眠れない子どものかたわらで母親が

「さあ、羊を数えてごらん」とうながしていっしょに

「ワンシープ、トゥシープ・・・」と声に出してあげるものなのかも、

とも想像しました。

ともあれ、眠れない夜の羊は英語で数えればこそのもの。

納得しました🐤

ちなみに、この記事を書くにあたって調べてみたら

羊を数える理由として

🐏もこもこの羊が牧場に群れている風景は欧米の人々にとって

 心を落ち着かせるものだから。

🐏sheepの発音がsleepに似ているところから眠れると自分に暗示をかけるため。

などの説もあるそうです。


 
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