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山のうた-五月の王

  • momosaran
  • 2017年8月11日
  • 読了時間: 1分

今日は山の日ですね。

それにちなんで、山を詠った作品から私の好きな一首を。

ものおもふひとひらの湖(うみ)をたたへたる蔵王は千年なにもせぬなり

                              川野里子  『五月の王』 (1990年)

「かりん」でお世話になっている川野里子さんは大分県出身です。

かつて東北地方で数年を暮らしたことを背景とした作品の中から

蔵王連峰の蔵王山を詠んだうたを記しました。

そちらには千年ほど前の噴火でできた火口湖があり、

御釜と呼ばれますが、

緑色に濁った水面が季節によっては色調が変わることから

五色沼とも呼ばれていることを

九州で生まれ育ち、東北地方に行ったことのない私は

この一首で知りました。

壮大なスケールのうたです。

「蔵王」という固有名詞が存分に生かされています。

読むと過去、現在、未来の自分自身、生まれる前の世界にさえ

思いを巡らせるのです。


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