帽子のうた-別れのかたち
- momosaran
- 2017年8月18日
- 読了時間: 1分
人はむかし別れのかたちうつくしく力の限り帽子振りにき
小池 光
今月の「嘉麻のおくら短歌同好会」短歌講座のテーマは帽子としました。
半世紀ぐらい前まで、でしょうか、
現在よりも帽子は日常的に着用されていました。
大人の男性用も、今は使っている人をみかけても
野球帽のようなキャップが多いと思いますが
以前はパナマ帽、中折れ帽、鳥打帽などさまざまでした。
「サザエさん」のお父さんも、背広に帽子を被って出勤していますね。
その帽子を、人と別れる時は手に取って大きく振る。
それが別れを惜しむ気持ちの表現でもあったのですね。
故郷の村から都会に出る若者を送る。
駅のホームを出ていく汽車に振る。
いろいろな別れの場面が思い浮かびます。
このうたについて、作者は短歌総合誌の対談でこう語っています。
「その歌はね、裏にあるのは、特攻隊が出撃するときの場面なんだ。
どこにも書いていないけれど。
みんな地上の人は帽子振ったでしょ。」
角川「短歌」2016年5月号
「対談 31文字の扉-詩歌句の未来を語る」小池光×大木あまり(俳人)
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