松村由利子歌集『光のアラベスク』
- momosaran
- 2019年6月1日
- 読了時間: 2分
「かりん」の松村由利子さんの第5歌集が上梓されました。
(2019年5月1日 砂子屋書房 2,800円+税)
福岡出身の松村さんは現在沖縄県に住んでいらっしゃいます。
「かりん」誌では毎月松村さんの作品を拝読していますが
印象に残ったうたのひとつが次の一首です。
水平線見つつ歯みがきする朝の二千回ほどわが島暮らし
(「かりん」2017年12月号)
この一首も収録されているかなと思いながら読み進めました。
ありました!
なんだか嬉しかったです(=^∸^=)
このうたは5月のいいづか短歌サロン(テーマ「朝のうた」)でも
取り上げました。
アラベスク文様を使った装丁も美しい一冊です。
免罪符買った粉屋のおかみさんみたいに募金の領収書もらう
気温ぐんぐん上がれば海は青くなる海神祭の前ぶれとして
外国に似た遠さかな東京もわがふるさとも「内地」と呼ばれ
丸善の洋書売り場を思い出すあなたを最初に呼び出した日の
海を越え手紙が行き来した頃の恋人たちの体温思う
共に棲めばあなたどんどん遠くなる知らない詩集を棚に見つける
水平線見つつ歯みがきする朝の二千回ほどわが島暮らし
牧草地の端にぽっつり百合が咲く役に立たぬという美しさ
橋を焼くような別れがあったことホットケーキに浸みるシロップ
若馬の駆けてくる午後 分散和音(アルペジオ)弾くときの指で卓を鳴らせば
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