第39回かりん賞発表
「かりん」9月号に第39回かりん賞の発表と選考経過が掲載されています。
かりん賞は結社内の賞です。
直近1年間に「かりん」誌に掲載された短歌作品を再構成し
三十首の連作として応募します。
今年はおふたりの同時受賞となりました。
「遠い日の指揮者の記憶」の貝澤俊一さんと
「ニュースに母は」の郡司和斗さん。
貝澤さんは1992年生まれ。2016年に「かりん」入会。
郡司さんは1998年生まれ。2018年「かりん」入会。
(ちなみに郡司さんは今年の短歌研究新人賞も受賞なさいました)
近年「かりん」では若手の活躍が目立っていますが
今年のかりん賞を同時受賞したのは
20代であるお二人でした。
貝澤さん、郡司さん、おめでとうございます。
では、受賞作品より幾首かご紹介いたします。
「遠い日の指揮者の記憶」より 貝澤俊一
日直の名を記すとき権力のかたちなるかなこの白チョーク
正論は踏みつぶされて学級委員ラルフしずかに泣くのみなりき
エキストラ募集のビラに食いついてじっとひかりの先を見るひと
「ニュースに母は」より 郡司和斗
まあ親子で死んで良かったねとお煎餅齧りながらニュースに母は
おとうとの絵日記にいるわたくしは腕が四本関節はない
「旦那さんなにをしてるの」「今家で生姜磨いてます」と母さん