坂井修一歌集『古酒騒乱』
- momosaran
- 2019年9月13日
- 読了時間: 1分
『古酒騒乱』は「かりん」の坂井修一さんの第11歌集です。
( 角川書店 2019年7月25日発行 2,600円+税 )
あとがきに、五十代になってからお酒が好きになったとあります。
タイトルにもあるように
いろいろなお酒のうたが並んでいる歌集です。
たとえば、
焼酎。
「河童黄桜」。
ラム・カクテル。
泡盛。
それらのうたを読んでいくと
お酒をたしなまない私などは
その豊饒な世界を知らずに生きていることが
少し口惜(くちお)しく感じられるほどです。
お酒の世界だけにとどまらず
中国や日本の古典、
近代文学、
そしてITの世界まで
時間や空間を超えて広く世界がうたわれています。
スマートフォン人をながめてなにおもふ 〈なにも知らないわたしのとりこ〉
香をたててのぼりゆきしや死にゆかむ若山牧水そのなかの酒
去りがたきページよここに與謝野晶子老いて売文の悲しみを告ぐ
さくらさくら水のなかなる月読のここに落ちよと呼べば降りくる
橋よわがさぶき玉の緒渡るとき波のなかから「よいか」のこゑす
さくらさくらあこがれのごと死のひかる若き日はおほき嘘でありしや
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