玉井清弘歌集『屋嶋』
- momosaran
- 2019年10月17日
- 読了時間: 1分
今月の嘉麻のおくら短歌同好会・短歌講座は今夜おこないました。
講座前半の秀歌鑑賞は
いつもは「星のうた」というように
テーマを決めてご紹介していますが
たまに
一冊の歌集からご紹介しています。
今回は玉井清弘さんの第八歌集『屋嶋』(2013年 角川書店)です。
私は5年ほど前に「かりん」誌で一年間
短歌紹介欄を執筆したことがあります。
12冊の歌集の紹介文を書いたわけですが
そのうちの一冊がこちらの『屋嶋』でした。
玉井清弘さんは愛媛県出身。
そして同じ四国の香川県に長くお住まいです。
歌集名の『屋嶋』は、
七世紀に白村江の戦いで敗れた後
防衛のために日本の各地に築かれた山城の一つ、
屋嶋城に由来します。
現在は屋島という表記のこの地に生活の拠点を持ち、
歩いてのお遍路を二度結願した作者が四国の風土を詠んだうたは
深く心に沁みます。
また、ハッとして読み直したり、
長く立ち止まるうたも多いと感じました。
詩歌文学館賞と迢空賞をダブル受賞した歌集です。
木のにおい貰いだんだん川の香をもらいだんだんふるさとの伊予
「だんだん」は「ありがとう」
あの匂い何かと遍路に問われたり四国をつつむ魔訶(まか)なる匂い
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