小鳥のネットワークのうた
- momosaran
- 2020年3月25日
- 読了時間: 2分
本日の「気分が明るくなったうた」は
歌集『匂いむらさき』よりご紹介します。
庭の梅ひらくと見れば目白(メジロ)来ぬ連絡網でもあるかのごとく
浦部みどり
自宅の庭の梅の木に花が咲いたと思うまもなく
メジロたちがどこからともなく何羽もやってきた場面です。
「連絡網」がいいですね。
ほんのりとしたユーモアを感じます。
梅にウグイス、梅にメジロのうたは数多くあるかと思いますが
この一首は巧まざるおかしみでたいへん印象に残りました。
連絡網ということばから私は学校を連想しました。
「めだかの学校」ならぬ「めじろの学校」みたいな感じで。
そのことを歌会で申したら
今は個人情報保護の関係で
学校関係でも連絡網は作られないのだと教えられました。
私、ひと昔前(ふた昔前?)の感覚だったんですねー。
作者の浦部みどりさんとは
「かりん」福岡支部でごいっしょしています。
そのご縁で、
2018年に浦部さんが『匂いむらさき』を出版なさる際に
少しだけ関わりました。
『匂いむらさき』は
浦部さんが85歳で出された初めての歌集です。
10代でうたを詠み始めて
断続的に70年詠い継がれてきたものをまとめられました。
春に上梓され、
その年の7月には福岡市内のホテルで出版を祝う会が開かれました。
ご家族や、ずっと以前からの歌友のかたがたや
現在所属なさっている「かりん」からは
編集委員の米川千嘉子さん、福岡支部会員が集い、
他にも福岡にお住まいの歌人のかたがたがお越しになりました。
そのお祝いの会で私も評のスピーチを申し上げ、
「かりん」誌にも歌集評を執筆したので
思い出深い歌集なのですが
その中でも、特にこのうたが好きなのです。
「令和」にゆかりの「梅花の歌三十二首」(万葉集)が詠まれた宴を開いた大伴旅人や
その三十二首中にもうたが残る筑前国守・山上憶良は
太宰府に赴任した折、60歳代でした。
貴族の平均寿命が50歳だったともいわれる当時にあって
(庶民を含めれば、平均寿命はもっと低くなるでしょうね)
60歳代は現代の60代とは同じには考えられませんね。
彼らや、85歳で素敵な第一歌集を出版なさった浦部さんにあやかりたいものです。
また、現在では90歳代で第一歌集を出すかたもおられます。
私が今まで手にした第一歌集の中で
作者の年齢が最も高かったのは
佐賀県の96歳の女性でした✿
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