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『月光色のチマ』(韓勝源・著)

『月光色のチマ』を読み終えました。

(書肆侃々房 2020年3月4日発行 2,200円+税)

これは韓国の作家・韓勝源(ハン・スンウォン)が

自らの母の生涯を描いた自伝的作品です。

翻訳者は井手俊作さん(福岡県出身)。

書肆侃々房の「韓国文学の源流」シリーズの1冊です。

ちなみに作者は

韓国人として初めてブッカー賞(イギリスの国際的な文学賞)を受賞した

ハン・ガン(韓江)のお父さん。

『月光色のチマ』の主人公・チョモンが

15歳の娘の頃

花を摘んでその花々を髪や衣服に飾って故郷の海辺に立つ場面が美しい。

そして、もっとも私が印象に残ったのは、

作中人物たちのしぐさやことばや習慣。

チョモンは1910年代半ばに生まれた作者の母のことですが

昨年亡くなった、在日1世である私の母や

知り合いの2世の女性たちのそれと共通したものがそこここにありました。

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