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土屋千鶴子歌集『一行のスープ』

  • momosaran
  • 2020年6月12日
  • 読了時間: 1分

「かりん」の土屋千鶴子さんの第4歌集が上梓されました。

(本阿弥書店 2020年6月11日発行 2,600円+税)

印象的な歌集名ですね。

集中に同名の一連があり、その中に次の一首があります。

 お役に立てて幸せです 一行がスープのやうにしみわたる恋

また、あとがきに

「一行の短歌によって、野菜たっぷりのスープを呑んだように温まる、

或いはスパイスのきいたスープで目が覚めるといったようなことがあれば、

生きていくのにちょっと元気が出るかもしれません。

そんな歌が私の裡から生まれてくるのを願っています。」

とあります。

公務員としてお仕事に邁進される中で触発されたという作品を中心に

2015年春から2020年初めまでのうたが収められています。

ご上梓、おめでとう存じます。

では、『一行のスープ』から幾首かご紹介いたします。

 病室で唯一の笑顔捉へたる亡父(ちち)の写真(うつしえ)日々聖化せり

 傾ぐたびわたしの壺でこだまする<おやすみ>のこゑ昔のひとの

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