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歳月

  • momosaran
  • 2020年8月2日
  • 読了時間: 2分

郵便局への道に面して

二軒続きの住宅(長屋?)があります。

それなりに年数を経ている、こじんまりした建物です。

左側のおうちには人が住んでおられるのがわかります。

台所とおぼしき小窓に沿っておたまが吊られている影が見えて

この季節はその窓も開いていますから。

右側のおうちは

玄関にチラシがたくさん差し込まれていて

おうちのまわりに雑草も多いので

こちらは空き家なのだろうなあと思いながら前を通っていました。

でも、そのひとけの無い右側のおうちも

玄関横の小さな植え込みには

冬には南天の実が実りますし

その季節が来ればその季節の花が咲いていました。

最近は、右のおうちの玄関右横の敷地に

赤紫の(たぶん)朝顔がたくさん咲いています。

植木鉢の中で棒に沿ってまっすぐ咲くということではないので

朝顔は地面の上を横に横に広がってゆきます。

ここ数日で、右のおうちの正面の右半分と玄関前は

すっかり朝顔に覆われました。

そのおうちの近くに一戸建てのおうちがあって

こちらもまわりに雑草が多いけれど

敷地内にクルマ(軽トラック)が停まっているし

洗濯物も干されているので

空き家ではないと思っていました。

ところがこちらも最近

蔓性の植物に覆われてきたのです。

こちらは軽トラックの3分の1ほどが

覆われてきています。

人が住んでいた家が

植物に呑み込まれていくような光景。

こうしたおうちの前を通るたびに

頭に浮かぶうたがあります。

 廃駅をくさあじさゐの花占めてただ歳月はまぶしかりけり

 小池 光

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