第22回かりん力作賞
きのうの記事で少しふれましたが
今月号の「かりん」誌で第22回かりん力作賞が発表されました。
受賞なさったおふたかたにお祝い申し上げるとともに
受賞作品よりご紹介いたします。
なお、今回は61編の応募があったそうです。
✤徳力聖也さん「かなしむようなブラック」30首より
真夜覚めて何も見えざり極夜ゆく冒険家のこと思いていたり
明け方に冷たい風が入りきて肩まで掛けよとあなたの声す
「私の時計でしつれいですが」と断りて医師は告げたる十五時二分
目覚ましは仕事をしたるときのまま針過ぎるたびコチリと音す
✤谷光順晏さん「桜光」30首より
母は命が解かるるときを待ちこがる生くる不自由もうぬぎたきと
山ざくら切ればどうつと倒れこみああ桜があびてゐた光
目の下に沈線数条涙とも乳房と臍に土偶はをんな
三十七本の舞扇ひらけば一間埋む母の舞姿見しことなきよ