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生活に最低限必要なものの数

「365日のシンプルライフ」というドキュメンタリー番組(2013年制作)を見ました。

ディレクターは26歳のフィンランドの男性で

出演者は彼と彼の家族や友人。

撮影者は彼と友人です。

モノ大好き人間で部屋にはものがあふれていると自己紹介する彼が

思うところあって

部屋の中の物すべてを倉庫に預けます。

そして、一日一個、必要な物をそこから取ってくるという一年間の実験を

映像として記録したものです。

生きていくのに本当に欠かせない物は何か、

自分の幸福にとって必要な物は何かを知るという意図のようです。

番組の最初、何も置かれていない部屋に

彼は裸で立っています。

下着さえも倉庫に預けたのです。

雪の積もった街を

裸の彼は倉庫まで走ります。

1日目、まず倉庫から出したのはコート。

2日目は寝具(掛け布団)。

それから、マットレス、靴、シャツ・・・と続きます。

スマートフォンはパソコンがあれば不要だと気づきますが

友人たちに促されて再び持つようになります。

この実験を始める前、

大好きな祖母に実験のことを話すと

彼女は「幸せと物は関係ない。物は小道具にすぎないの」と言います。

1年の間に、彼は新しい恋をし、

祖母は老人ホームに入ることになって

暮らしてきた部屋とそこにある物を手放すことになります。

1年がたち、

番組の最後に彼はこう話します。

「実験の結果、生活するのに最低限必要な物は100個くらいだとわかった。

楽しく快適に暮らすには、もう100個くらい必要だ。

何かを所有すると責任が生まれ、物は負担になる。

どんな負担を抱えるべきかは自分で選びたい。

祖母の言うとおり、僕らの人生をかたちづくるのは物じゃないんだ」。

物を持つことには責任と負担が伴う。

このことを忘れないようにしたい。

何かを購入したりゆずられたりして家に迎え入れるときには

楽しさや便利さと同時に

その責任と負担ももつことになるのだということをよくわかっていれば

買い物もこれまでよりさらに慎重になると思います。

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