長友くに歌集「松聲」
- momosaran
- 2020年9月21日
- 読了時間: 1分
「かりん」の長友くにさんの第6歌集です。
(2020年5月3日 「若」の会事務局 定価1,000円)
タイトルは次のうたから取られているでしょうか。
宇土金(うどがね)の
山を離れる昼の月
松聲はるかに往古を語る
1首を3行書きで表記してあることが歌集の大きな特徴でしょう。
沖縄のこと、
中村哲医師のこと、
訪ねた美術館のこと、
ドイツへの旅、など。
さまざまな題材を詠みつつ、
最後に置かれている連作のタイトルは
「首里城炎上(2019.10.31)」。
沖縄に深く心を寄せておられることが伝わってきます。
上に記した題材のほかの、心に残った作品をご紹介いたします。
苦しみて
樹液吹きいし木を思う
はるか東北は産地の一つ
「琥珀」より
白木蓮はじめての花
かかげたりふわんと
気球の飛びたつ形
「里の光景」より
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