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「こころの時代-コロナの時代を詠む」

NHKのEテレ「こころの時代」で

歌人・細胞生物学者の永田和宏さんと

僧侶・宗教学者の釈徹宗さんの対談がおこなわれました。

その中で印象に残ったことばの中から

おふたかたが対談の最後に語られていたことをご紹介します。

釈さん

「古来、人間はうたをうたって死者を弔ってきましたし

 悼んできましたし、

 うたをうたうことによって自分自身の悲しみを引き受けたり

 鎮魂の機能をうたは持っていたり。

 新型コロナのうたを(新聞歌壇などで)たくさん詠まれているのは

 すごく象徴的なことだと思うんですね。

 それはまさに人々の祈りそのもののような感じがします」

永田さん

「それとやっぱり自分の悲しみとか不安とかをうたうことで

 それを誰かが共有してくれるという、ある種の救われ方みたいなもの。

 それを自分だけで抱えているんじゃなくて

 自分がつくったものは誰かが読んでくれて

 共に感じてくれるだろうという安心感というか。

 自分の発したことばが誰かの中に受けとめられているっていうことを

 自分が確信するだけで誰かとつながっているという、

 そういう確信がもてるというね、

 そんなことあるんじゃないですかね」

釈さん

「ある意味、ほんとにつきつめれば人間は孤独な存在なんだっていう実感があって

 初めて人とつながる喜びも再び輝きを取り戻すかもしれない気がしてきたんですが

 そう考えると、今回の人と人とを分断するようなこの感染症の時代、

 孤独感を抱えておられるかたは多いかもしれませんが、

 だからこそ人間はつねにつながりの中で生きていくっていうことを

 もう一度再吟味するような

 そんな営みになるかもしれないっていうことですね」

永田さん

「それはほんとにネガティブにいく場合もあるでしょうけど

 人と人がつながることはいかに大事かということを

 我々に改めて(この部分不明)きたのが

 今回のコロナ感染症だったという気がしますね。

 ほんとに100年に1回の大事件が、

 いろんな人がコロナをうたに詠んで

 それを残していくのがすごく大事だと思うんですけど。

 自分ひとりで言うと、やっぱり今のこういうコロナの現状も含めて

 これから自分が老後を生きて行くときに

 どういうことを感じたかというのを

 やっぱり誰かがみていてほしい。

 その一番の自分で実感があるのが

 短歌をつくっていることだと思いますね」

 
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