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お別れのとき

今月9日は父の命日でした。

父とはまったく関係がないのですが

命日ということでいえば

今日はジェームス・ディーンの命日です。

1955年9月30日、24歳で亡くなりました。

私が生まれる前にこの世を去ったこの映画スターの写真集が手元にあります。

私の部屋の、約100年前のイギリスで使われていたアンティークの書棚。

ずっと探してようやく見つけたこの猫足の書棚には

私自身の著書や、お気にいりの写真集や画集を並べています。

大切にしたい本、

その中でも眺めて楽しむ美しい本を集めた場所です。

その中に、ジェームス・ディーンの写真集もあります。

先日、お茶の時間になんとなくこの書棚をながめていて

この写真集に目が留まった時、

ふいに、この写真集とはお別れのときかもしれないなあ、と思いました。

いっしょに並べている、オードリー・ヘップバーンの写真集や

ルネ・ラリックの展覧会の図録は

時おり手にすることがあるけれど

ジェームス・ディーンの写真集はもうずっと開いていない。

振り返ると、

オードリー・ヘップバーンの写真集を展覧会で購入したのは30代の頃。

ルネ・ラリックの展覧会の図録は40代になってからです。

そして、ジェームス・ディーンの写真集を買ったのは20代前半。

写真集そのものというより

その頃の私やその頃の思いに

さようならできる時が来たということかもしれません。

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