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『馬場あき子の「百人一首」』(馬場あき子・著)

  • momosaran
  • 2020年10月25日
  • 読了時間: 2分

(NHK出版 2016年10月20日発行 1,700円+税)

馬場あき子先生のサイン入りです♪

「はじめに」で

「今まであまり重視されていなかった作者の横顔をしのばせる逸話や

その人生、人物の背景にあった時代感がうかがえるような事柄を

鑑賞に加えてみたいと考えた」

と書いておられます。

また、帯には(著者談)として

「執筆にあたり心がけたのは、

作品と作者、それに作者を取り巻く環境を「立体化」して鑑賞することでした。

そのために、作者の横顔や逸話をこれまでの解釈に加えていく作業を施しました。

作者の人物像が浮かび上がることによって、

より歌の面白さが引き立つのではないかと考えたのです。

歌を味わうためには、

「だれが、どんなときに、どんな思いで詠んだのか」が大切なのですから。」

とあります。

1首ずつ、

語注と「歌のこころ」がつけられて

それに、上記のような鑑賞文が続きます。

語注は文語の文法の勉強にもなりますし、

「歌のこころ」はただの現代語訳ではなく、1首にこめられた思いを伝えてくれます。

巻末には「「百人一首」詠みびと列伝」も載っていて

「百人一首」への丁寧な、行き届いた道案内のように感じました。

出版されてすぐに購入した本ですが

少しずつ、少しずつ、味わいながら読みました。

各首の作者を、教科書に出てくる歴史上の人物ではなく

さまざまな葛藤をもったひとりの人間として感じながら。

そして、その時代に思いをはせながら。

 人もをし人もうらめしあぢきなく世を思ふゆえに物思ふ身は

 後鳥羽院

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