「水城」第277号(11/14追記)
コスモス短歌会(コスモス)の福岡支部報「水城」が発行されました。
(2020年11月10日 年3回発行)
いつもながら充実の内容です。
特に、有川知津子さんの執筆による「白秋ノート 7」
”『白南風』の歌調 -結句末の接尾辞「さ」-”
を興味深く拝読しました。
今回のテーマに関連することですが、
ー結句末の接尾辞「さ」ー
と目にした時
私の頭にすぐに浮かんだのは
高野公彦さん(「コスモス」編集人)の次の一首でした。
仰ぐときどこかに昼の月がゐて<見守り神>の如きひそけさ
高野公彦
これまで私がいいづか短歌サロンや短歌講座で
「月のうた」をテーマとしてお話しした回で
必ずご紹介したうたです(=^∸^=)
では、会員のみなさまの作品をご紹介いたします。
一読して印象に残ったものを記します。
来るとすれば先生の子どもふるさとの島の小学校の転校生は
有川知津子
コロナより寂しさで死ぬかもしれず自分がだんだん見えなくなつて
大野英子
夢にでる人ことごとく古き人止まったままで日々を過ごせば
栗山貴臣
孫を抱き「助けてください」と叫んでも降る雨音に掻き消されゆく
猿渡紀美子
語り合ふ人なき日々を過ごしつつ入院の夫に送る絵手紙
菅 梨香
下校する子どもの列と擦れ違ふ小さなマスクの八月の子ら
中村仁彦
音を立て老いの身崩れてゆくごとし夫の病室出でし夜の道
長澤八重子
グレーゾーンあれども確たる再発はなしと言はれてぼんやり嬉し
永田惠美